• 手術の数値化・視覚化から、人をもっと深く知る。

身体の座標

  • 2022年3月24日

開発では、工学部の方とご一緒します。研削の計測ではロボットを一緒に動かします。工学部の皆さまは、ロボットを基準としたXYZ軸でスッと動作の内容がイメージできるのですが、わたしは考えないと対応できません。外科医であるわたしには、患者さんの身体を基準とした、軸位断、矢状断、冠状断での座標系が標準座標。わたしの指示は、わたしの意図を理解した若い学生さんが通訳としてロボットのオペレーターさんへXYZ軸座標に変換翻訳して伝えるという場面が展開されました。

外科医の座標軸
オペレーターの座標軸

外科医は頭側、尾側、正中(内)側、外側で方向を表現します。カメラの向きは、カメラが向いている方を12時として、時計回り、反時計回りで回転軸を表現します。骨を削っている時には、削っている骨を基準にこれらの表現で場所や方向を表現します。断面は上の図のように、軸位断、冠状断、矢状断で表現します。

ロボットのオペレーターはロボットの設置方向を基準に座標を表現します。0点を設定し、そこを原点にXYZ軸を決めます。そのそれぞれの軸の回転をそこに加え、6軸で座標を表現します。

先日の計測では、互いの座標軸に馴染めないまま終了しました。計測時の、指示を出すわたしとオペレーターは写真のように向かい合っていました。この二人の位置関係も座標軸混乱の一因だったと思います。やってみないわからないことが、現場にはあります。共通言語を整えていく。互いの文化を理解する。この辺りが、医工連携の醍醐味です。ここからか!この感覚はスリリングで楽しいものです。学ぶ事は知る事。知る事はわかる事。

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