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わが国のせぼねの内視鏡手術の歴史

  • 2022年4月20日

せぼねの内視鏡手術は、日本では2002年に始まりました。当時使われた内視鏡は2種類でした。20年経った今、日本で使われている内視鏡の種類は開発中のものも含めると大きく分けて5種類、増えています。この分野では、世界をリードする分野に育つパワーを備えつつあります。

2種類の内視鏡がほぼ同時期に日本で使われ始めました。8mm径の細くて長い、水を使う内視鏡と、15mm径の水を使わない内視鏡です。その当時は、脳神経外科で顕微鏡を使ったせぼねの手術が行われていましたが、整形外科では光学機器を利用した手術は、主流ではありませんでした。

わたしが初めてこの内視鏡手術を見学したのが、2002年帝京大学溝口病院整形外科出沢明先生(当時助教授)(https://dezawaakira-ped.jp)の手術でした。水を使うタイプの内視鏡を日本に導入した先生です。車椅子で患者さんが入室し、局所麻酔で実施。手術室から患者さんが歩いて帰るのを見た時は衝撃でした。今、毎日、自分がしている手術は、なんなんだ?!?!この見学の機会を作ってくれたのが、当時帝京大学整形外科阿部哲士先生(http://www.yoshikawa-hp.or.jp/)。「北濵、すごいのが始まったぞ、来い。」今思えば阿部先生のあの一言は大きかったです。

その翌年、和歌山の西村泰彦先生(https://sizrobot.com/jasmets/)に内視鏡手術の研修をお願いしました。その2例目の手術に指導に見えてくださったのが、吉田宗人先生(https://www.sumiya.or.jp/seikei/)でした。吉田先生が水を使わないタイプの内視鏡を日本に導入されたのでした。

2020年頃、出沢先生、吉田先生ともに新たな内視鏡をデザインされました。それぞれの使用されたスコープのちょうど間に歩み寄るようなデザインになっているところが興味深いです。また、一つの穴から覗き込んで同じ穴から道具が出入りする従来の内視鏡システムに加え、内視鏡の穴と道具の穴を別に設ける、外科用内視鏡や関節鏡のシステムを採用した術式も登場しています。

次世代は、ロボットにも、外科医にも使えるデザインに進化すると思います。

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